フキ ふき 蕗(蜂斗菜)の知識! その1
ご覧いただきありがとうございます。
今回は、「フキ」についてのご案内です。
フキの生薬名は「蜂斗菜(ほうとさい)」といいます。
昔はお菓子類が貴重であったと聞いています。
そのお菓子を身近な植物で作ることが考えられたようです。
その一つがフキの砂糖づけといわれています。
フキの砂糖づけは、茎を加工して砂糖づけの菓子としたものです。
江戸時代の末1835年(天保6)に、羽後国河辺郡仁井田村(現在の秋田県秋田市)の熊谷惣道という人が、太平山(たいへいざん)のフキを採取し、それを原料として作り出したともいわれています。
また、そのほかの説では、秋田の杉山寿山堂の祖先が、佐竹藩の御用商人の頃に、創始したとも伝えられています。
フキ
フキとは
フキは日本特産の植物で、山地や野原に自生するキク科の多年草です。
地中に根茎があり、早春に包葉につつまれた花穂を出します。
この花穂をフキノトウといい、その若い花穂も茎と同様に食用になります。
白色の筒状花からなる多くの頭花を総状につけており、雄花と雌花は別々の株にできます。
雌花の株には白色の冠毛があり、果実がみのります。
葉はすべて根出葉で、花が散った後に大きくなります。
長い葉柄の先端に腎臓形か円形の葉が出て、縁に不規則なきょ歯があります。
フキは古くから山地や野原などで採取し、山菜として食用にされていました。
その後、栽培が盛んになり広く食べられるようになりました。
また種類は、ミズブキ、アカブキ、アイチブキなどの品種があります。
その他にアキタブキという大形のフキがありますが、これはフキの変種であり、東北地方から以北にかけて多く自生しています。
またアキタブキの栽培は、天保の頃から栽培されていて、肥料を施すと葉は直径1m、葉柄の長さ1.5mにもなります。
〔栽培〕
フキは特に寒さに強く、2~3月頃によく成長します。
暑さにも比較的強いですが、夏季は新葉を開きません。
比較的たくましい植物で、どんな土地にも適しますが、葉が軟弱で大きいことから分かるように、土壌は壌土か砂壌土で比較的に日陰を好みます。
酸性には、きわめて強いといわれます。
地中茎は地表近くに自生するが、根は下に伸長するので、過湿地や保水地などでは病害が多くなります。
栽培方法は、
●促成軟化栽培
12月に根株を温床内(床土を温かくした苗床)で被覆(ビニールなどで覆う)し、1月~2月に収穫する。
●保温栽培
12~1月に畑で片屋根式の被覆を行い、2~3月に収穫する。
●早熟栽培
8~9月に砂質地に新苗を植栽し3~5月に収穫する。
この栽培の場合は密植多肥とし、通常10a当り窒素37kg、カリ15kg、リン酸25kgの肥料を与えればよい。
●普通栽培
長年にわたり放任して育ったものを4~5月に収穫する。
以上の4通りがあります。
以上が「フキ」についてのご案内でした。
参考になれば幸いです。
次回は「フキの花言葉や効能」などについてご案内します。