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漢方医療の特色~ここでいう「陰陽虚実」「陽証」「虚証」「実証」とは?

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ご覧いただきありがとうございます。

今回は前回に引き続き「漢方について-3」のご案内です。

漢方医学は、日本では、西洋から江戸時代に伝来してきた、最初に日本で翻訳された書である、『解体新書』(医学書)(1774)以後、蘭学(ヨーロッパの学術・技術 ・文化の総称)の興隆とともに西洋医学がしだいに勢いを得て、長い歴史のある漢方医学が、これによって抑圧されました。

その傾向は、明治維新後いっそう厳しくなり、明治16年(1883)に医師免許規則が発足されて、西洋医学を修得した人のみが医師の資格を与えられることになって、漢方医学はみるみるうちに勢いを無くしていきました。

 

 

漢方療法の特色

病気の状態と体質を陰陽虚実でみる 

陽証

病気の状態が陰証とは逆に、動的、男性的、開放的、消極的、熱性傾向のあるものの総称を言います。

ほとんどの場合、発熱、炎症、充血などを伴い、脈数が多くなり、肌が赤く充血してきます。

こういった場合には、寒冷剤である黄芩、石膏などや麻黄、桂枝などの発散剤を用いて熱をとります。

 

虚証

体内にまだ病毒があるにもかかわらず、体力やこれと戦う精気が欠乏している状態を虚証といいます。

陰証に似ており、脈は小さくて弱くなります。

筋肉、腹部、皮膚も弱くなり、全体的に無気力の容態となります。

このような病状のときには、一般に黄耆や人参などの賦活温補剤が使用されます。

また、無病の人でも、このような体質を虚証の体質といいます。

 

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実証

虚証とは逆に体じゅうに病毒が満ちていて、体力、精気がこれと相拮抗できる状態のことを実証といいます。

陽証と似ており、脈は力があり、筋肉、腹部、皮膚もかたく弾性があります。

このような場合は、寒冷剤である黄芩、黄連などや芒硝や大黄などの下剤を用いて、病毒を攻撃し排除するようにします。

また、このような体質の人を実証の体質といっています。

このように漢方では、全ての病態を四つの証に区分し、総合的に証を決めて、これに応じて治療を行うことになります。

 

皮膚病の場合には、「湿」「乾」と、皮膚の状態が湿潤しているか、乾いているかという尺度のほか、総合的に全体を観察して、これらに対応した処方をすることになります。

 

以上が「漢方について-3」でした。

少しでも参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。