漢方医療の特色~「血」「水」!な・なんと人体7割は水でできているの!?
ご覧いただきありがとうございます。
今回は前回に引き続き「漢方について-5」のご案内です。
東洋医学は、4000年以上の歴史を持つといわれており、哲学的でもあり、局部的に病気をみるのではなく、総合的にみています。
また、病名よりは自覚症状を重要視しています。
したがって全体的な観察に基づいて「証」を証明させていくというやり方です。
これらの東洋医学は知れば知るほど奥が深くなるようです。
漢方療法の特色
病気の原因となる気・血・水
血によって起こる症状
漢方では「お血」という、血の留滞によって起こる病を、大変重要視してきました。
漢方の一つの特徴として、こうした病には、血をめぐらす薬を用いることが一般的です。
血が留滞すると、頭痛、動悸、耳鳴り、めまい、のぼせ、顔面紅潮、全身の灼熱感、腹部の寒冷感、しびれ、鈍麻感などの、精神神経系、血管運動神経系、知覚障害性などの症状があらわれるわけです。
また、お血のある人は腹部独特の腹証(腹診で得られる証)をあらわすことが多いのです。
すなわち、へその下やへそのそばに圧痛や腫塊などがあらわれます。
婦人の月経に関する病態は、血の道症とも呼ばれており、このお血証があらわれてきます。
このような症状の場合には、牡丹皮、水蛭、虻虫、桃仁などが配剤された、駆お血剤(くおけつざい)を使用します。
たとえば、桃核承気湯、桂枝茯苓丸、四物湯、加味逍遙散などがよく用いられるわけです。
水によって起こる症状
水分が留滞したときに、起こる主な症状は、頭痛、頭重、不眠、息切れ、動悸、全身倦怠、多汗症、耳鳴り、めまい、疼痛、手足のふるえ、ケイレンなどの症状があげられます。
人間の体の7割は水から出来ていますから、水の代謝に不具合が起これば、その運行が妨げられ、前記のような症状が起こります。
したがって、漢方処方ではそれに合った、多くの水剤が配合されています。
たとえば、麻黄、細辛、朮、沢瀉、防已、半夏、杏仁、黄耆、茯苓、猪苓などがそれです。
処方の代表的な水剤は、五苓散であり、そのほかにも沢瀉湯、苓桂甘棗湯、真武湯、猪苓湯など数多くあります。
このように、気、血、水とそれぞれの留滞によって、起こる症状を記述しましたが、現実には気、血、水のそれぞれ1つの場合と、2つ~3つが重なってあらわれる場合があり、それによって治療法も違ってくる訳です。
以上が「漢方について-5」でした。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。