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漢方医療の特色~ここでいう「証」「陰陽虚実」「陰証」とは?その意味は?

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ご覧いただきありがとうございます。

今回は前回に引き続き「漢方について-2」のご案内です。

中国漢方医学の代表的な医書としては、後漢の時代にできた『傷寒論』や隋の時代の『諸病源候論』、唐の時代にできた『千金方』『外台秘要方』などがあります。

これらの医書は、現在の治療においても価値が高く、貴重なものもあります。

また、漢方の聖典とされた、『内経』(だいきょう)と呼ばれるものは、中国最古の古典医書である『素問』(そ もん)と『霊枢』(れいすう)の二部からできています。

 

 

漢方療法の特色

「証」とは

「証」は通常あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、「証」という意味は確証とか証拠といった意味です。

これは既に皆さんもご承知のとおりです。

ここでまず、この「証」を明らかにしていきます。

漢方でいう「証」は、「内に病あれば、証拠は必ず表にあらわれる」といった考え方に基づいています。

ここで、この「証」をどのようにして明らかにするかと言うと、①脈、②腹、③舌、④本人の自覚症状、の四つを総合的に判断して決めるのです。

すなわちあくまでも漢方の場合、長年にわたる経験により総合的な見方で、漢方薬は処方されます。

また、漢方では天然生薬を正しく用いれば、化学薬品でみられるような副作用は、ほとんどないという利点があります。

これらは、西洋医学の対症療法とは違うことが分かります。

 

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病気の状態と体質を陰陽虚実でみる

漢方には、「証」を決めるにあたって、陰陽虚実という漢方的評価をします。

もともと陰陽虚実は、森羅万象宇宙(宇宙に存在する全てのもの)の現象についての哲学的な考えでしたが、人体を小宇宙にたとえて、用いることになりました。

 

陰証

病気にかかった際、消極的、潜伏的、女性的、静的、寒冷性などの状態を総称して陰証といいます。

つまり発熱、充血、炎症などの症状がなく、病状は滞り潜んで、著しく表にあらわれることはありません。

この場合、患者の脈は遅く弱く、顔色や皮膚が青白く手足が冷えて、寒気を訴えるようになってきます。

このように陰証の場合には、温熱性の生薬である、漢方薬の附子や乾姜によって体を温めるのが良策です。

 

以上が「漢方について-2」でした。

少しでも参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。