胃・十二指腸~元気になるための食事とは!~痛みがある時など
ご覧いただきありがとうございます。
今回は前回に引き続き「胃・十二指腸潰瘍の食事-6」についてのご案内です。
昔は胃潰瘍の人の食事療法はとても厳しかったようで、絶食させるときもあったそうです。
しかし、現在ではカロリーが豊富で消化の良い食品を、また、ビタミン類をたくさん含んでいるものを、体温より低い温度にして食べると良いといわれています。
そして、良質タンパク質が含まれる魚・肉・卵・乳製品・豆などを優先してとりましょう。
胃・十二指腸潰瘍の食事-6
痛みや出血があるときの食事と手術後の食事方針
胃の手術(胃切除、胃腸吻合術)の後日、食後10~30分経ってから、動悸、めまい、嘔吐、吐きけ、発汗、倦怠感、腹部の不快感などが起こる場合があります。
この症状はダンピング症候群といわれ、食物が急に小腸に流れ込む時に起こる症状で、
吻合口が大きい場合に生じます。
また糖質を多く含むものを食べると、その2~3時間後に一時的な高血糖となります。
このことによりインスリンの分泌が刺激されて増えるため、低血糖の状態となり、ダンピング症候群と良く似た症状になることがあります。
特に神経質な人は、このような症状になり易いことが分かっています。
この症状を防止するためには、高タンパク質で水分の少ない食品をゆっくりと食べて、血糖値を急速に上げる穀物や甘いものなどは一度にたくさん食べないことが大切です。
なお、胃切除後の人がとくに気をつけたいことは貧血であり、それも悪性貧血で、これは胃粘膜が無くなるために、ビタミンB12や鉄分、葉酸といったヘモグロビン作成物質の吸収が、きわめて悪くなることが原因です。
この場合は食欲も不振になるので薬剤治療も必要ですが、それらの補助をおこなうためには、肉、魚、卵、豆、野菜(特に葉菜類)、乳、乳製品、いも、果物類の必要量は必ずしっかりとるようにしましょう。
胃切除後の食事は、体の状態によっても違います。
出血や痛みがあるために食べられないときは、絶食から少しずつ軟常食へと戻していきましょう。
なるべく早く普通食に戻した方が回復も早くなります。
以上が「胃・十二指腸潰瘍の食事」の最終回でした。
胃・十二指腸潰瘍の予防や治療に少しでも参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。