柿 カキ かき(柿帝)とは?「栽培の歴史」~食べておいしい秋の味!
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今回は「柿(カキ)についての知識」をご案内します。
カキの生薬名は「柿帝(してい)」といいます。
カキといえばオレンジ色の果実が思い浮かぶと思います。
カキには甘ガキと渋ガキがありますが、甘ガキはそのまま果物として、渋ガキはアルコールなどに漬けて渋を抜くか、または、干しガキにして食べると甘くておいしいですよね。
このカキの栽培について、日本では古くから盛んに栽培されているようですが、中国や朝鮮でも栽培されていますが、日本のように果樹としては発達していないとのことです。
また、アメリカに自生しているカキは、主に日本から栽培品種を取り入れたものだそうです。
カキ
カキとは
カキはカキノキ科のカキノキ属に属し、世界中におおよそ190種類あるといわれており、高木または低木で、落葉性のものと常緑のものとがあります。
そのほとんどは熱帯、亜熱帯地方に自生し、温帯地方には数種類しか自生していません。
黒檀(コクタン)もこれに属します。(黒檀:柿の木の仲間で、東南アジアが原産地の樹木)
このうち果樹として栽培されている種は、カキ、シナノガキまたはマメガキ、アメリカガキ、アブラガキの4種あるが、その中でもカキを除く3種は果実としての価値は低いです。
カキは日本にも原生しているものと思われますが、純野生種と野生化したとの区別ができていません。
純野生種は中国の江蘇省、浙江、四川、雲南に自生しているといわれており、園芸学者である菊池秋雄氏は、湖北省の武漢で純野生種と認めています。
〔栽培の歴史〕
日本におけるカキの栽培の歴史はかなり古いです。
カキの果樹としての記録はすでに、日本現存最古の薬物辞典の本草和名(ほんぞうわみょう)に出ており、カキを加岐と書いていいます。
また、平安時代中期に作られた辞書の、和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)にはカキは赤実菓也、音市、和名賀岐と記されており、この時代には既にカキの栽培種と野生品種とははっきり分かれていました。
平安時代の法令集(律令の施行細則)の延喜式(えんぎしき)には、菓子類として干柿子および熟柿子が記されており、宮中の御園の果樹としてカキが栽培されてました。
また柿二升とも書いており、室町時代では往来物の尺素往来(せきそおうらい)に、菓子類の中にカキと稗柿(ほしがき)があり、また茶子の料として串柿(くしがき)が見られます。
文献によると、現代の品種のほとんどはおおよそ18世紀(西暦1701年~西暦1800年)までに、栽培されていることが推測されているようです。
これは現在でも古いカキの木が、各地に自生していることからも想像がつきます。
以上が「柿(カキ)についての基礎知識」のご案内でした。
次回も「柿(カキ)」についてのご案内をする予定です。
ご覧いただけたら幸いです。